2012年7月3日火曜日

替えの効かない仕事。




昨年の術後、
だいぶ痩せた。

親父と僕は月に一度、
ふらっと昼メシを一緒に
とることにしていて。

ここのところ約1年間
おやすみしていたが、
昨日の昼。復活した。

親父の仕事場は品川。
海運の仕事をしている。
そこからわざわざ
僕の仕事場、東銀座まで
出て来てくれたりする。

復活記念に
親父と僕は「うなぎ」を
チョイスした。

鰻屋「登三松」。

約1年前も同じような
蒸し暑い日に暑苦しく
話しながらうなぎを
食った場所だった。

おかんの話や
僕の家族の話。
お互いの仕事の話など。
ひさびさに親父と少しだけ
ゆっくり話した。

Keep it on.とのことだった。

うなぎを食った後は
コーヒーショップ<喫茶店
の親父と古びた店に入った。


親父の仕事=海運。

曰く、AUSやNZなどを
中心にしたニッチな
航路をmanageしていたが、
このたび「顧問」という
肩書きが付いたと。

僕はすかさず聞いた。
顧問って何をすんのか?と。

親父曰く。
要はゆっくりしといて下さい
ゆうことやと。

海運の仕事も
オモロいけどな、
もうやり切った感じするわと。

ときに海運の仕事は、
扱うモノは違えど。
広告会社の仕事に少し似ている。

クライアントとユーザーの
間に入り。

●荷物(メッセージ)を
●効率的(魅力的)に
●最適経路(接点)で
●最適時間(タイミング)で
●届ける(伝える)か

をplanningし実施すること。

信頼の積み重ねが
仕事に繋がるということが
非常に大切にされる仕事。

海外への出張も国内出張と
同じようにあり、
需要があれば新規航路を
ぶち上げることもある。

非常にやりがいのある仕事だろうと思う。
その業界でカレコレ30年以上。

その親父が
「安い賃金で高オペレーションの国」の人間に
取って代わられる仕事になってきた、と嘆く。

海運大手のMaerskや、MSC
ほとんどの仕事が流れ、
中堅以降の企業にとっては非常に厳しい時代だと。

親父の会社のように大手が
手を出さないような
特殊な航路やニッチな航路で
生き延びるしかないと。

社内業務においても、
昔はバリバリ言わせていた
海運マンが行ってきたことも
最近は様変わりしてきており、
派遣やオペレーターに移行しているという。


ただ。と。

時代が変わっても海運マンとして
第一線でやってきた人間は
不要かというとそうでもない。

●海外との特殊交渉
●企業の方針を示し実践する

ことにおいては、オペレーターの
マニュアル化した業務とは
一線を画す。


録音された声を聴いて
オーダーをする企業もあれば、
やっぱり直接人と話をして意見を交換し、
納得してオーダーするという企業もある。


そこに人がいるかどうか。

積み重ねた地道な実績と信頼が
人をつなげ、新しい仕事に続いていく。

ただし、過去のやり方や方法に
とらわれてばかりでは
船と同じく沈んでしまう。

時代に合った方法を
取り入れるべき領域や業務もあるので
人をベースにその時々で
柔軟に対応していくことが出来ないといかん。

そして。

対応できない人間が取って代わられ、
柔軟に対応していく人間の仕事だけが
替えの効かない仕事になる。

10年先に自分がどんな仕事をしているか
をイメージしながら仕事に精を出せ。とのこと。

そんな親父は、
今年で引退する可能性が高い。

おかんとふたり。
余生を楽しめるだけの金銭的余裕と
知的欲求を満たすために、
司法書士や行政書士の勉強を始めるとのこと。

それは今までの仕事以上に
替えの効かない仕事だわな。

しかし。弁護士でも替えが効く仕事になってきているとも聞く。
いったいどんな仕事が残っていくんだろうか。


Anyway,thanks. 親父。













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