2012年7月19日木曜日

Market Design.



『日本の難題をかたづけよう』
光文社

を読み掛けてる。

初っぱなからムズいんだが。
第一章の“マーケットデザイン”
という考え方がおもろく。

安田氏の若くして
自由に理論と実践を
行き来出来るのが羨ましく。

得意のメモでしょ。

そもそもマーケットデザインてのは
経済学の最先端のハナシで。

『現実の市場や制度を修正•設計
していく新しい分野』だそうだ。

例として。

★周波数帯
★バスのルート
★研修医のマッチング
★ロースクール卒業生マッチング
★腎臓交換メカニズム
★公立学校選択制

など。

国内外の実例を取り上げつつ。
経済学の知見やアイデアが
社会制度に影響を
及ぼし始めてるよってことを知った。

そして、そのマーケットデザインは、
『経済学、特にゲーム理論や
メカニズム理論などで得られた
最新の知見を活かして、
現実の経済制度の修正や設計を
行う新しい研究分野』だそうで。

伝統的な経済学⇩
●制度は与えられたもの
●完全競争市場を分析
●需要と供給
●市場に任せりゃうまくいく
→法律/習慣/規範や政府の役割を過少評価(机上の空論?)

一方。

マーケットデザイン⇩
●制度をイチから設計
●完全競争市場から離れた経済制度を分析
●ゲーム理論
●様々な市場の失敗
→市場を機能させるための制度設計が重要(実践的応用!)

という違いがあるとのこと。

特に大学のときに
寝ながら聴いてた
ゲーム理論の話は
どーせ眠ぃ話だろ?
と思ったが。

プレーヤー、戦略、利得の
三要素を用いながら
囚人のジレンマ、チキンゲーム、
経路依存性の話が展開され。

自分の分析したい対象に合わせ
ゲームの構造を定式化すりゃ
分かりやすいってことを
卒業後八年経ち初めて理解。

寝てても卒業できたことに感謝。

とはいえ。
理論を理論として理解するんじゃなく。

なんかしら社会現象を
切り取ってゲームとして定式化したりしたときに。

出てきた結果や予測を現実とすりあわせて
的外れや机上の空論でないかをcheckするプロセスが大事。

だし、ゲーム理論にできるのは
分析や比較でしかない、という安田氏に感謝。

マーケットデザインの視点には
更にメカニズムデザインという
制度設計のための理論の話が
必要なんですと。

ゲーム理論が、
社会的な分析対象、環境を定式化するのに対し。

メカニズムデザインは
★社会において達成したい目標
★その目標が達成可能かを判定
★具体的なメカニズムを設計

するんだということで、
イチから制度設計するための
考え方と聴いて寝れなくなる。

『市場を創る:バザールからネット取引まで』
なんていう粋な本まで紹介された。

新しい経済理論が幅広く
実践されていく中で大事な
3つのポイントも紹介された。

★市場の厚み
★混雑回避
★安全性、シンプルさ

こっからがムズい。

マスキン定理と、
マスキン単調性が登場。

八年ぶりに寝そうや。

しかし。

『個々のメンバーから集めた
メッセージに応じて結果を定める』
ってプロセスがメカニズム、
仕組みなんだよと。

制度がどうやって機能するかの
ルールみたいなもんだよと。

うまくルールを決めて、
メンバーが嘘をつかずに運営者に申告しつつ。

最初に決めた目標を
達成するかがキモだそうだ。

マスキン単調性を満たさなければ
どんなメカニズムを以てしても社会目標は達成されず。
満たしてさえいれば達成されるという。

ソロモン王のジレンマって話と
出版社のジレンマって話と。

目標が達成されない、マスキン単調性が満たされない
例として展開した後に。

いかに最悪の事態を避けるか。
という温かい方法を紹介された。

参加メンバーを増やす。
目標達成基準を変える。
結果の可能性を増やす。

など。
マスキン単調性を満たす方法を探すってこと。

改革する社会工学としての
マーケットデザイン。

渋し。

流行りのCAMPFIREとかREADY FOR?とかCOLORFUL BOARDとか。

知ってか知らずか。
マスキン単調性、満たしまくってるね。

この世の中の
いろんな制度設計の実務に
飛び込んでこーぜ!って。

素敵なお話でした♩


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